2016年04月20日

プロダクトデザインチーム近況

4月11日に、プロダクトデザインチームでミーティング&見学会を行いました。
今回は、六本木にある有田焼の「深川製磁」東京ショールームと、AXISビルにあるファブリックメーカー「NUNO(布)」のショップを訪問しました。

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深川製磁は、1900年に開催されたパリ万国博覧会において最高名誉の金賞を受賞し、以降現代にわたり国内外問わず評価され続けている有田の窯元。蓄積された伝統と品質そして完成度の高さに強いこだわりと誇りを持つ企業です。ショールームはマンション一階の一室にあり、窓から庭の緑が広がる広く明るい空間で、リラックスして拝見できます。深川製磁では、成形〜焼成までの工程ごとに熟練の職人がついており、どの製品も仕上がりの形状や発色、光沢、質感、そして手で触れ使った時の使用感まで、全てに妥協がないからこその美しさが真っ直ぐに伝わってきます。

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初代の深川忠次はパリ万博で金賞を受けた大花瓶を作った本人ですが、天才的な芸術家肌の職人でありながら、柔軟な思考をもった国際肌な人物でもありました(英語を習得してオーダーを取っていたそうです)。忠次のその精神があったからこそ、その後国外のファンが多くついたのです。その心は受け継がれ、現在も欧州への啓蒙と更なるデザインの深化の為、ミラノにもショールームを構えて活動しています。また今年は有田焼創業400年という記念すべき年。ゲストクリエーターとして北野武氏とのコラボレーションでパリのメゾンエオブジェにも参加。注目が高まる時を逃さず新しいファンを作る事の大切さ、それを100年以上前から知っている企業という事に感銘を受けました。

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続いて二軒目に訪れた「NUNO」ですが、こちらは実は欧米のラグジュアリーブランドからもオーダーを受けているファブリックメーカーです。メゾンのコレクションなどで使われる布に日本製がよくあることを皆さんはご存知でしたか?(私は知りませんでした...)

福井県など様々な地域で伝統的な工業として発展した機屋の織りの技術を活かし、色柄、素材感ともに非常に多様で多彩。豊かな表情のあるファブリックを多く展開しています。ほぼ全てが国内で生産されています。「トレンドから布を開発する」というより、「表現したい感覚を布から表す」そんな布たちでした。デザイナーの意図を汲み取り形にしようとする感性と、それを高い完成度でどうにかしてでも叶える技術力と技術者魂が備わっていること、それがラグジュアリーブランドのデザイナーたちに支持を受けている所以なのではないかと思えました。訪問したその日もワークショップに参加する欧米系の観光客たちが大勢来店されていました。

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また、国内よりも韓国や中国のアパレルメーカーにもよくNUNOのファブリックは買われており、価格設定を少し高くしてでも質の良いファッションを提供出来ることからそうしたブランドの製品用に需要があるそうです。国内需要が低いとはとても残念に感じます。こちらのショップでは自社の生地を使用した製品が販売されていましたが、そのように国内で製品にしなければ「made in Japan」とは明記されません。またブランドのそういった情報は一般的には知られる事がないものです。しかしながらも日本の布が海外デザイナーから高い支持と信頼を受けているのは確かです。私はNIPPON DESIGNプロジェクトで、こうした「日本人に知られていないけど実はある、凄い物や技術」をより知っていきたいですし、僅かにでも広めるきっかけにできたらという想いを新たに抱きました。

私たちのチームでは、まず一つ目のプロダクトとして、「和紙」と旧日本海軍発のとある「加工技術」を使ったプロダクトの構想が既に固まってきております。引き続き今後も様々な「NIPPON DESIGN」の可能性を探っていきます。


(古澤)
posted by IIDA日本支部 at 08:39| NIPPON DESIGN 2016 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする