ホスピタリティチーム 眞柄 則子
8月27日、(社)東京都建築士事務所協会様の企画した羽田空港新国際線旅客ターミナルの見学会に参加しました。
10月21日開業、31日より国際線定期便が就航するとあってまさに最後の追い込みという時に株式会社梓設計の皆様のご協力で建築、設備、電気と説明を受けながら見学して参りました。
テレビでも度々取り上げられていますので皆様も折に触れご覧になっているのではないでしょうか?ソウルや上海、香港などアジアに加えロサンゼルス、ニューヨーク、パリなど欧米の主要都市へも直行便が就航します。夜の便でパリなどに発つととんでもなく早い時間に着きますがそう言うところも改善されるようです。
デザインコンセプトは第一ターミナルビルが「陸」第二ターミナルビルが「海」をイメージされているのに対し、この新国際線旅客ターミナルビルは「空」をテーマとしているそうです。日本の空港が不便だとか乗り継ぎが悪いというのは良く耳にしますが,このターミナルビルに関してはシンプルで機能的な動線とプランニングとうたっているだけあり、とても明快です。5層からなるビルは2階が到着階、3階が出発階、1階は道路交通アクセスを受け入れる空間に、4・5階は商業・サービス施設の空間です。それらがとても見通しよく分かりやすいというのが最初の印象です。
すじ雲をイメージした大屋根の側面が見える場所に集合、中に入るのに靴カバーをして汚さないように、そして注意事項の指示などをお聞きして見学開始です。案内板もメインターゲットの中国、韓国からのお客様用に中国語、ハングル文字が見えます。吹き抜けの大空間はガラス張りのためとても明るく見通しが良くすっきりとしています。見通しを良くするため消火栓まで透明です。
最初に4階に行きました。日本の伝統・文化を伝える商業エリアです。エスカレーターで上がった正面には能舞台、左右に並ぶショップも江戸情緒です。江戸小路と呼ぶらしいのですが歌舞伎のショップの他、Tシャツ屋、ラーメン屋、そして伊東屋まで江戸時代にスキップしてます。
パスポート無しでは入れない免税店エリアにも入れていただきました。まだ未入居ですので現場の職人さんの姿しか見えませんがかなりの広さを確保しています。日本国内では初の免税店となるシャネルが出店、ロレックスも約250本のラインアップを用意するなど大変な力の入れようです。2階には千住博氏の日本の感性を伝えるアートが配置され、5階にはプラネタリウムカフェなども出来るそうです。
パスポートを持たなくても楽しめるエリアがたくさん有り、かなりの来場者がありそうです。
又搭乗橋も世界で初めて段差を無くしたステップレス搭乗橋を設置するなどユニバーサルデザインへの取り組みもされています。
又、エコエアポートとして地中熱を冷暖房に利用したり,発電と同時に廃熱も有効利用、そしてNAS電池で夜間の割安な電気を蓄え、昼間の電力負荷に対応するそうです。別棟の供給処理施設棟も見せていただきましたが,貯水タンクが木製だったり,考えられる環境負荷を最小限に抑えたエコエアポートを作ったという自信を担当の方のお話しから感じることが出来ました。